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【報告】活き生きとした活動をするための組織力強化

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2016年7月2日(土)午後1時半~4時半 参加者16名
【講師】
NPO法人 CRファクトリー 代表理事 
呉 哲煥さん
1974年生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。株式会社サマデイ入社後、2001年に独立・起業し、コミュニティ運営・支援事業を開始する。
2005年にNPO法人CRファクトリーを設立し、現在代表理事。
「すべての人が居場所と仲間を持って心豊かに生きる社会」の実現を使命に、NPO・市民活動・サークル向けのマネジメント支援サービスを多数提供。
セミナー・イベントの参加者は5,000名を超え、毎年約100団体の個別運営相談にのっている。コミュニティ塾主宰。コミュニティキャピタル研究会共同代表。血縁・地縁・社縁などコミュニティとつながりが希薄化した現代日本社会に対して、新しいコミュニティのあり方を研究し、挑戦を続けている。
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どこの団体にも共通する悩み、それが『温度差』です。
非営利組織における人材の特徴は、みんな「忙しく」「強制力が働きにくい」ことです。
ボランタリーな集団であるため、人によって優先順位がバラバラで、人の流動性も高く、強制力が働かず命令では動かないので、個々の活動に対するモチベーションやコミットメントに「温度差」ができます。そのことを前提に、よりイキイキと継続的な組織をマネジメントする必要があります。
人と組織のマネジメントで重要なことは、目に見えやすい「結果」や「行動」に捉われるよりも、それを創出する基盤となる「動機づけ要因」や「関係性」にどれだけアプローチできるかにあります。
人をモチベートし成果を上げてもらうには、その人の「動機付け」要因、つまり①なぜこの団体に関わっているのか ②活動で何を得たいのか ③何に喜びや充実を感じているのか、などについて把握し、それ満たせるような配属・経験デザイン・機会提供をすることが大切です。
そのアプローチとして「新たな仲間を巻き込み、担い手を育成するためのコツ」があります。
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まず①勉強会・イベント・飲み会などで「興味」を持ってもらい、②マメなコミュニケーションやちょっとしたレジャーなどで、「ここは居心地がいいなぁ」「また参加したいなぁ」と団体に『愛着』を持ってもらうえるような関係性をつくり、自らが担い手となる『主体』として育っていくような「巻き込み方を設計」します。
そのためには、スタッフのやる気が上がるようニーズに寄り添った「報酬を支払う」必要があります。
「報酬」とは、スタッフが団体に参加することにより、自身の興味・関心・要求が満たされるものであり、主体性として活躍してもらうための「動機づけ要因」にもなります。
そのためにも、スタッフのやる気をあげるために、一緒に企画やイベントを考えるなど、上流のプロセスから巻き込むことがポイントです。
つまり、上手く人を巻き込み・定着してもらい・循環させていくためのコツです。
「団体への愛着」と「スタッフ間の仲間意識」は、人を持続的にモチベートし、活動へのやる気が上がる重要な要因であり、その関係を醸成するためのキーワードは『相互理解』です。
それが強く温かい組織をつくるためのマネジメントにはかかせないのです。
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<参加者アンケート>
「新たな気づきが得られた。あたたかいコミュニティ作りの裏では、緻密な仕掛け作り、関係性作りの大切さを知りました」
「シンプルなロジックがとてもわかりやすかったです」
「団体運営の中での問題・課題をポイントをおさえて分かりやすく話されるので、勉強になります。自分達の活動に生かせるように考えたいと思います」
「具体的に自分たちのことを考える場になりました。どこが課題でどのような手法で改善していけばよいか、よくわかりました」
「多様な意見を集め、まとめること、企画段階から参加してもらうことが、面倒くさくても主体性を育む上で大切なことだとわかりました」
「自団体に足りないものを見直せました」
「動機付け要因を意識することが大事」

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業