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U50   第32回 大澤洋子さん

アンダー50として、2018年から2024年3月まで、
50才未満の若手市民活動家へインタビューを重ねてきました。
「活動を始めたきっかけや思い」など、
62名それぞれの軌跡が
多くの方々へのエールになるよう願っています。

大澤洋子 さんプロフィール

おおさわようこさん

「かわさきこども食堂ネットワーク」副代表
「てらこみーる」実行委員
「地域通貨たま」事務局
多摩区在住

いろいろな活動の肩書きをお持ちですね

おおさわようこさん

市民活動はもちろん、ボランティア経験さえ無かった私ですが、川崎市と専修大学が共同開講していた「KSソーシャル・ビジネス・アカデミー」という社会人講座と出会い学んだことで、ライフスタイルが全く変わりました。
多摩区に住んで40年。「ここは私の地元」と言える地域との繋がりがほしいと模索していたところ、たまたま小田急線内で目にした「KSアカデミー・受講生募集」のポスターに惹かれ、講座に申し込み半年間受講しました。
ここでは、社会課題をビジネスの手法で解決していくソーシャルビジネスについて学び、事業の立ち上げを企画している多くの受講生に出会いました。そのときに「子ども食堂」の存在を知り、自分もやってみたいと興味を持ちました。講師の一人だった「認定NPO法人ぐらすかわさき」(以下ぐらす・かわさき)の副理事長から「これから子ども食堂を立ち上げるので手伝ってほしい」と声をかけられ、念願のこども食堂でのボランティアを始めました。

「てらこみーる」の良さは、楽しくあたたかい雰囲気と美味しい食事

たまのかい

その後、ぐらす・かわさきに転職。コミュニティビジネスの起業を支援する事業や、運営するコミュニティカフェ「メサ・グランデ」(以下メサ)で行っている地域食堂「めさみーる+(プラス)」の運営を担当していました。
めさみーる+は、市内で比較的早い時期に始まった子ども食堂でしたので、開始時は色々な団体の見学がありました。あるとき、子どもへの学習支援と食事を提供したいと考える人が見学に訪れ相談に乗ったところ、週末にキッチン付きレンタルスペースも行っているメサを利用すると良いかも、という話になり「てらこみーる」がスタートしました。
最初はぐらす・かわさきのスタッフとして「てらこみーる」を手伝っていましたが、2019年に同法人を退職、本格的に実行委員として運営に携わっています。また「地域通貨たま」も最初はぐらす・かわさきでの仕事を通じての関わりでしたが、多摩区に住んでいる縁から、現在もボランティアで事務局を担当しています。

現在、全国のこども食堂にスポットが当てられていますね

てらこみーる

全国には4,000カ所以上のこども食堂があり、市内にも約50カ所程度あります。どこも運営者それぞれの想いが込められた地域の居場所だと思います。
「てらこみーる」は、午前中は子どもたちが宿題などを持ち寄って勉強をし、お昼になったら大人も交えて皆でワイワイご飯を食べる、いわゆる「だれでも食堂」です。メサの前を通りがかったことがきっかけで、ご飯を食べていく人もいます。18歳までは無料、大人は500円。一人参加もOKです。メニューのほとんどは、野菜ソムリエの資格を持つスタッフが考えてくれます。「野菜がたっぷりで、すごく美味しい!」と評判なのですが、現在ソムリエの彼女は産休中です。そんな中、少しの時間だけ手伝いに来てくれて披露してくれた新メニュー「トマトすき焼き」は、とても美味しかったです!

実は、設立メンバーで寺子屋の勉強をみていたヨガの先生にも赤ちゃんが授かり、キッチンを手伝ってくれたボランティアさんにも赤ちゃんが・・・。私たちは、裏で「てらこみーるは子宝食堂」って呼んでいます(笑)。そんなかんやで、現在はスタッフの手が薄くなっているのが悩みですね。
てらこみーるの良さは、楽しくあたたかい雰囲気と美味しい食事です。今はコロナ禍で参加人数を制限したり、みんなでピザを作るなどのワークショップが出来なくなった不自由はありますが、可能な限り安全に配慮をして、美味しいご飯が食べられる場所を続けていきたいと思っています。  

活動が「かわさきこども食堂ネットワーク」の設立に広がりました

てらこみーる

川崎市にこども食堂が増え始めたのは、だいたい2016年くらいだと思います。
どこの食堂も1年目はとにかく楽しい、2年目は勢いが残っている、3年目で課題が出てくる、という流れが多いようです。2018年の2月頃、あるコミュニティカフェオーナーの「こども食堂の運営者が横に繋がって助け合えたら。まずは顔合わせして、情報交換しませんか!」という呼びかけに賛同した数名が集まったのが、ネットワークの始まりです。数回のミーティングを経て次第にネットワークの形ができ、2018年9月から「かわさきこども食堂ネットワーク」がスタートしました。
「こども食堂の情報を必要な人にわかりやすく届けたい」という思いから、市内の「こども食堂マップ作り」と、食を中心とした安心安全な居場所が地域に根付くことを願い「食品衛生講習会」の開催に力を入れています。
2020年は、川崎市と協働イベントの開催や企業の寄付の受け入れとネットワークに参加している各食堂への配布など、活動の幅が広がりました。こども食堂の運営者が助かるような「ヒト・モノ・カネ」が上手く回る仕組みを作れたら良いなと考えています。

最後にメッセージを

自分は、少々ごはんを作るのが好きなだけで、実務をこなすことにたけているわけでも、人間関係を器用に立ち回れるわけでもありません。ただ人が集まり出会いがあって、そこから何か面白いことが生まれたりするのを見たり、関わったりするのが好きなのかも。
集まりの真ん中に「美味しい食事」があれば、より人は心を許しやすいし、つながるきっかけになります。そこに「地域通貨たま」のような変わったモノが加わったら、もっと面白くなると思っています。これからの時代は本業の傍らに、自分の好きな事や好きな居場所があると、生きやすく楽しいのではないでしょうか。

何か始めたいと考える若い人にアドバイスを送るとしたら「まずは自分の生活を大事にしてほしい」ということです。市民活動に夢中になりすぎると家庭や生活がおろそかになるケースもあるようです。本業にしたいならともかく、ボランティアならば、ほどほどに楽しみましょう。
毎月第3日曜日、武蔵新城にあるメサ・グランデで開催している「てらこみーる」は、良い意味で緩く美味しいご飯のある楽しい街の居場所です。予約は必要ありませんから、どうぞお気軽に遊びに来てください!

お問い合わせ

学ぶ(寺子屋)×ご飯(みーる) てらこみーる
teracomeal@gmail.com

2020年12月1日取材 レポーター 町田香子

次回のエースは「にこにこあおむし人形劇団」団長 もり まさのさんです。

「にこにこあおむし人形劇団」団長 もり まさのさんへ一言

おおさわようこさん

アンダー50の第2回目に登場した司法書士の山崎梨紗さんが主宰した講座で出会いました。顔を合わせると笑いが止まらない間柄です(笑)。 最近はバイオリン演奏に取り組んでいるとか。早くツィゴイネルワイゼンをマスターして、ぜひともお聴かせください!


バトンを受け継いで 大澤洋子 さんへ一言

もりまさのさん

洋子さんの笑顔が大好きです。私となぜか波長が合います。洋子さんからのバトン、しっかり次ぎに繋ぎます!

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業