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U50   第44回 中野絢斗(けんと)さん

アンダー50として、2018年から2024年3月まで、
50才未満の若手市民活動家へインタビューを重ねてきました。
「活動を始めたきっかけや思い」など、
62名それぞれの軌跡が
多くの方々へのエールになるよう願っています。

中野 絢斗(けんと) さんプロフィール

「かわさき若者会議」発起人
高津区まちづくり協議会委員
たかつ若者ミライ会議代表
川崎市男女平等推進審議会委員
日本若者協議会関東支部副代表
高津区在住

かわさき若者会議とは

「地元の友だちをつくりたい」「地域で何かやってみたい」という25歳以下の若者が情報交換を行う地域密着型プラットフォーム(基盤)です。目的は若者と若者を繋ぎ、さらに若者と地域を繋ぎ、面白いことや楽しいことを実行しながら川崎を盛り上げていくことを目指します。
会のキャッチフレーズは「ツナグ、ツナガル、ツクル、未来と川崎」、略称は親しみやすく「かわわか!」として、今年2021年4月に設立しました。

新型コロナの影響で会の浸透が加速したと感じます。学生たちはオンライン授業、会社員は在宅ワークで、人と会って話す機会がありません。特に地方から上京してきた学生は、大学が休校になり、サークル活動も休止に追い込まれたのです。そんな学生たちの受け皿になりたく、気軽に相談できるコミュニティづくりを考えました。周りを見渡しても、子ども会、青年会、老人会はあっても、20代の若者が気軽に入れる場は無いのです。そこで、社会人1年目の自分自身が活動を始めるにはまずは仲間集めだと、暗中模索で片っ端からSNS(スマホやパソコン使用の交流サイト)で発信、呼びかけました。投稿後すぐに反響があり、同じような考えの若者がたくさんいるとわかりました。

仲間とひとつになって

ご厚意で会場提供してくださったお寺の本堂で行った4月のキックオフ会は、当初の予想10人の2倍の参加者が集いました。驚いたのは、川崎市民だけではなく、東京都内はもちろん、横浜、鎌倉、遠くは小田原から来てくれた人もいたことです。まずは、1人ひとりがやってみたい事を、ボードに張り出してみると、僕自身が、まさに「目からウロコ」でした。

自分の住んでいる区以外の行政のしくみを知りたいという高校生、皆でゴミ拾いをして盛り上がりたいという女子大生、不登校の経験を生かしてコミュティづくりをしたいという学生、日本人と友だちになりたいという留学生等々が、マスク姿で輪になって熱く語り合いました。「地元プロサッカーチーム・川崎フロンターレを皆で応援に行こう!」という意見が出たときは、見事な一致団結感がありましたね。これぞ、まさしく「地元愛」です(笑)。

このメンバーたちと共に、「かわわか」の方向性も見出していきました。例えば、環境や教育関係などのプロジェクトにリーダーはいますが、会の代表などの役職は無しです。好きなときに、好きなイベントやプロジェクトにだけ参加して、強制は禁止。年に3~4回、メンバー同士の交流会で情報をシェアするというユルさです。これは現在、趣味と実益を兼ねて、40もの団体に加盟している僕の「楽しくなければ活動ではない」という信念に基づいています。

発足から約8ヶ月となりますが、今やメンバーは100人越えです。SNSの発信とクチコミだけで急速に拡大したのです。恐るべし若者パワーですね。
メンバーは、大学生と専門学校生が約半数を占めています。ほかに、声優もいれば役者のタマゴ、コーヒーバリスタなども一員にいますから話題には事欠かないです。メンバー全員が本当に面白くて、いつも色々と教えてもらっています。正直、僕自身が一番刺激をもらって、日々成長させてもらっていると感じています。

活動が結んだご縁

この8ヶ月間、市内7区で区役所や各団体と連携し、色々な取り組みに挑戦してきました。特に高津区の「たちばなフェス」、梶ヶ谷商店街の「エルカジまつり」を企画運営したことや、中原区役所と一緒に記事を企画構成して、活動を紹介した「市政だより」は、とても好評でした。地域の人々に我々若者の活動を知ってもらったことや、普通は広報誌を読まない同世代に呼びかけた反響は、大きかったですね。現在、年末や新年に向けての多数のイベント企画が進行中です。

活動の日はまだ浅くとも、嬉しかったことは、たくさんあります。商店街との共同イベントでは、参加メンバーがその商店街の飲食店でアルバイトすることになったり、教育関係のイベントでは、現在学童保育の有償ボランティアになったりしています。やはり、雇用が生まれることは、イベントを通して地域と若者が本当の意味で繋がった実感を持つことが出来ました。今後も、地域の駄菓子屋でイベント興しを企画する高校生がいて無限の可能性が楽しみです。

僕自身、地域活動で気をつけていることが大きく3つあります。1つ目は、とにかく「無理せずに楽しむこと」です。そして、2つ目は多世代交流で、お互いが尊重する関係を保ちたいということです。耳の聞こえにくい方には、大きな声でゆっくりと話す気配りも大切ですし、パソコンの取り扱いがわからなければ、得意な若者に遠慮せずに何でも聞いてほしいですね。そして最後は、会のメンバーといつも話し合っていることでもあるのですが、「『かわわか』が、ありがたいことに最近メディアに載ることも多くなってきたが、それにおごることなく、初心を忘れず謙虚に動いていこう」ということです。

将来の夢は、この「かわわか」が無くなることです。驚かれますが、「かわわか」がなくても、地域交流がもっと盛んになり、多世代の交流がごく自然なこととして定着することが一番だと考えています。

自分が頑張れる理由は「誇れる川崎」

自分がここまでやってこられた意気込みは、なんといっても学生時代の海外留学の経験が素にあるからです。大学4年のときにベラルーシ共和国への留学を皮切りに、1年間ユーラシア大陸横断をバックパッカーで敢行して、勇気も自信もつきました。

でも、あらゆる旅先で、地元を誇らしく語る人々から「君の故郷の良いところは何?」と聞かれたとき、なにも話せなかった自分に愕然としました。実に恥ずかしかったですね。だから帰国してすぐに地元を知ろうと、高津区森林保全の団体に最年少で入会しましたし、高津コミュニティカフェ・ココデも訪ねました。人の温かさにも触れ、本当に地元川崎の良さに目覚めたのです。住人同様、街も温かいですから。海外に出てみなければ、グローバルな視点で自分の故郷を振り返ることはなかったかもしれません。川崎が大好きになりました。僕の原動力といっても過言ではありません。

最後にメッセージを

僕は、現在24歳ですから、会の引退まであと1年。高校生や大学生に負けじと、これまで以上に頑張るつもりです。本当にすごいメンバーが多くて、この取材を自分が受けているのが恥ずかしいくらいです。次のインタビューのバトンを誰に渡すのか、とても悩ましいです。
また、個人の活動としては、福島の浪江町へ、2017年避難指示区域解除になってからは毎年のようにボランティアで通っています。震災10年目の節目に、自分自身の中でも震災を風化させることなく、どこにいても、いつでも福島の復興を意識できるよう、今年から戸籍の本籍地を福島に移しました。震災を風化させることなく、自分のライフワークにしてこれからも続ける所存です。

少しでも「かわさき若者会議」に興味のある方は、ぜひとも気軽に入ってきてください。友だちとの巡り合いがあります。川崎が大好きになります。そして、僕自身に興味のある方も、ぜひ連絡してきてください!お待ちしています!

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2021年11月22日取材 レポーター 町田香子

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次回のエースは「かわさき区EST」共同代表 小林宏奈さんです。

「かわさき区EST」共同代表 小林宏奈さんへ一言

「小林宏奈(ひーちゃん)は、川崎区から麻生区まで毎日駆け回るすごいバイタリティを持っています!これからの川崎を担う世代として、一緒にがんばろう!」

バトンを受け継いで 中野 絢斗(けんと) さんへ一言

はい!ありがとうございます!

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市民活動推進事業