公益財団法人かわさき市民活動センター

ボランティアグループ「トラヂ」は、愼玉熹（シン・オッキ）さんを中心に、日本も含めて１０人が活動中している。祖国を韓国、朝鮮に持つ人々が、それまでの苦労を忘れて老後を楽しく生き抜こうと始めた「トラヂの会」の、会食会やミニデイサービスを陰で支える。
毎週水曜日の会食会は、川崎区桜本の元幼稚園園舎が会場。訪ねると昼食後のお楽しみ会の最中で、約６０人が民謡や童謡に合わせて陽気に踊っていた。その輪の中に入り、仲間として付き合うボランティアも楽しそうだ＝写真＝。
日本人メンバーは、日本語教室で活動しながらハングルを学んでいたり、父親の赴任先の朝鮮で生まれ育った人など。「異国で強く生き抜いた女性たちへの尊敬と感動が、私たちをここに向かわせます」と話していた。
「さー皆さん、大きい声で笑いましょう。」。慎さんの呼び掛けで、元気な笑い声がこだました。「これがトラヂの会のパワーです」。そこには、苦労を笑い飛ばす力強さがにじみ出ていた。
（2004年5月15日　神奈川新聞掲載　ボランティア記者　池田良子）