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木り絵作家・小河原いずみさん かんなくずの可能性

きり絵と小河原いづみさん

かんなで材木を削ってできる0.1ミリほどの木くずは、光に透かせると年輪や節が美しく際立つ。川崎市中原区の小河原いづみさん(55)=写真=は、かんなくずで作る切り絵アート「木り絵」作家だ。2012年に活動を始め、10年になる。

活動のきっかけは自宅改修。初めて目にしたかんなくずは、宝物のように光って見えた。捨てるのはもったいないと小さな切り絵を作ったところ、温かみのある唯一無二の作品が完成した。

材料を分けてもらうため、東京・新木場の材木問屋街へ何度も足を運んだ。木り絵を見せた職人たちは驚き、「きれいな物が作れるんだな」と喜んでくれた。

小河原さんは20年に川崎に転入し、中原区では昨年から活動。春には木り絵を使ったワークショップを開催した。元住吉のパン教室ではカード、等々力で開催されたSDGs(持続可能な開発目標)のイベントではキーホルダーを作った。

木り絵の余りをパンチで花や丸などに型抜いた材料で自由に造形してもらう。「小さなかけらでも木や森を感じる」と参加者に好評を博した。

「捨てられてしまう素材と伝えると、参加者は自然や環境に思いをはせる。活動の場を広げ、新たなかんなくずの活用にも取り組みたい」と小河原さんは語る。問い合わせはメール(kiriefeuille@yahoo.co.jp)で。

(2022年9月8日 神奈川新聞掲載 市民記者・中島裕子)

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