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【8月24日神奈川新聞掲載】みやまえ・東部62部隊を語り継ぐ会 平和を願い遺跡巡り
川崎市青少年の家(宮前区)の一角に、脚のない灯籠がある。1942年秋、陸軍東部62部隊と共に東京・赤坂から移転してきた「お化け灯籠」だ。
召集された兵士は短期間の訓練を受けた後、2万人以上が外地に送り出され、多くが戦死したとされる。戦地に向かう兵士に対して「帰ってこー」と灯籠が夜中に歩き回るため、脚の部分を埋めたとも、切断したとも伝えられる。
中島せり奈さん(48)=写真後右=は同部隊の遺跡巡りに参加。元将校の集会所だった場所にたたずむ灯籠を見て「自分に何かを訴えている」と感じ、案内役の中学校教諭、大泉雄彦(たけひこ)さん(69)=同前列右=の活動を手伝うようになった。
さらに、大泉さんと教え子が調査研究した資料を冊子にまとめようと、戦後70年の2015年5月、『戦争遺跡をたずねて』を発行した。同時に、大泉さんを代表に「みやまえ・東部62部隊を語り継ぐ会」を設立した。戦争遺跡を平和のための史跡として伝えることを目的に、9人で活動している。宮前区を中心に遺跡巡りや展示、講演·学習会、聞き取り調査のほか、「お化け灯籠」などの紙芝居も上演する。
「戦後が続くよう当事者の話を聞き、伝えていきたい」と大泉さんは語る。問い合わせは山本さん☎090(8775)1879。
(2023年8月24日 神奈川新聞掲載 市民記者・金子ユカリ)