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【2024年9月26日掲載】絵本の会パンジー 絵本が結ぶ地域の縁
川崎市立下小田中小学校(同市中原区)2年6組で朝読書が始まった。読み手は「絵本の会パンジー」の代表サノマキコさん(43)。著作の絵本「せせらぎニュース」は、地元のせせらぎ遊歩道を舞台に四季の自然を描いている。
秋のページのパンジーは菓子や果物が品種名だ。「どのパンジーが好きですか?」の呼びかけに「俺、いちごみるく!」「マロン!」と、子ども達が元気よく答える。
サノさんの図書ボランティア歴9年になる。読み聞かせにぴったりな地域に根差した絵本を作りたいと長年思いを温めていた。契機は2022年。本業のイラストレーターとして、同区新丸子が舞台の絵本「シン・マルコちん」の挿絵を描いた。その縁で23年4月に同会を発足、同区の提案型事業に採択された。
一番苦労したのは話作りだった。完成を支えたのは絵本作りでつながった地元の人々。花壇ボランティアに「パンジーを植える時季に、カルガモのひなはいない」と教えてもらった。獣医師は話の展開を考えてくれた。小学校校長の要望で「カルガモ注意」の標識を載せた巻末の地図は、子どもたちに人気のページとなった。
完成した絵本は図書館や近隣小学校などに寄贈。「授業やイベントで使ってもらえたらうれしい」とサノさん。次は図書ボランティア用選書リスト作成を計画中だ。問い合わせはサノさんHP(https://sanomakiko.com/)まで。
(2024年9月26日神奈川新聞掲載 市民記者・中島裕子)