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【報告】団体の魅力を伝えるロゴマークをつくる。

【第3回パワーアップセミナー】
「団体の魅力を伝えるロゴマークをつくる。」
開催日時:2017年7月29日(土)午後1時半~4時半開催
参加者:25名
講師:小さなNPOを応援するグラフィックデザイナー 
     林田 全弘(はやしだ まさひろ)さん
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 第3回目のセミナーは、ちいさなNPOを応援するデザイナーとして、普段は関西を中心に活躍されており、全国から依頼がある講座では日本中を飛び回っている、林田全弘さんをお迎えしての初講座です。林田さんは、NPOのロゴ研究の第一人者で、Webサイト「NPOのためのデザイン」(http://design4npo.com/)主宰者でもあり、NPO向けのデザインをいくつも手掛けてきた林田さんだからこそ出来る貴重な講座ともいえます。
「団体の魅力を伝えるロゴマークをつくる。」
ロゴマークをつくる=デザインに関する広報セミナーと捉えがちですが、ロゴマークを考えることは「組織運営」の1つです。なぜならば、団体のロゴマークを考えることは、団体の想いや魅力を外に向かってどう伝えるかを整理し、団体内で共有することが必要だからです。
そして良いロゴマークができると、効果的な広報展開が可能になります。
つまり、この講座は「いかに自力でロゴのデザインを考えるか」ではなくて、その手前にある「いいロゴを作るために必要な準備」のための講座という位置づけになります。DSC02687.JPG
講義は「いいNPOロゴとは?」というテーマからスタートしました。
まず、押さえておきたいロゴの役割についてです。
1)視覚コミュニケーションの最重要要素
あらゆる活動で表示される中心的シンボルであり、NPOの想いを以心伝心で伝えるコミュニケーションの最重要要素です。対外的には、受益者と支援者とのコミュニケーションを図るマーケティングツールの1つとなるものです。様々なツールにおいて、同じロゴマークやイメージカラーを展開することで統一感がうまれ、団体のイメージが伝わりやすくなります。
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2)将来に向けてメンバーを団結させ同じ方向に向けるマネジメントツール
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ロゴは単に組織のシンボルマークではありません。NPOの思想・理念・将来像などを凝縮し、得たものが理想であり、内部的には、将来に向けてメンバーを団結させ同じ方向に向けるマネジメントツールにもなり、対外的には受益者や支援者とのコミュニケーションを図るという点で、マーケティングツールの1つでもあります。
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林田さんが用意した「NPOロゴ色相関図」を見ながら、隣の参加者とどのロゴマークが気になる(好き)か、なぜそのロゴマークを選んだかについいて意見交換を行いました。一度にNPOのロゴを見比べる機会はそうありませんので、参加者のみなさんの熱意が伝わりました。
相関図から見て取れるように、ロゴの種類には大きく分けて「シンボル系ロゴ」「文字(ロゴタイプ)系ロゴ」があり、さらにシンボル系は大きく分けて、①具象モチーフ②抽象モチーフ③イニシャルモチーフの3種類があります。参加者のみなさんは、比較的、暖色系からグリーン系にかけての色合いで、シンボルマーク的なロゴを選ばれた方が多かったようです。
林田さんの解説では、使用するカラーにも団体の想いや理念の意味が込められており、団体のイメージカラーは、ロゴマークだけではなくWebデザインなどでも統一感を醸し出すことに寄与します。逆に、モノクロにすると、どのような媒体・印刷条件でもイメージが変わらないため、汎用的な使い方ができるとのことでした。
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 ここから「いいロゴの条件とは?」の講義に入りました。
いいロゴは「機能」と「感性」にわかれており、その中で6つの条件を備えています。
「機能」では①視認性、②展開性、③話題性があり、「感性」では④らしさの反映、⑤独自性、⑦美的創造性、があります。①と⑥はデザイナーの力量に左右されますが、②~⑤は依頼者の事前の準備によって左右されます。
では、依頼者である団体側ができる「ロゴを作る前の準備」とはどのようなものでしょう?それはイコール「ロゴを通じて伝えたい想いの整理」です。
つくる前に準備しておきたいポイントは、①自分たちのこと、②相手との接点、③依頼する内容の3つです。
①は、<ネーミング>団体あるいは活動のネーミングの明文化、<使命>団体あるいは活動が存在する理由、<理念>活動するうえで大切にしたい考え方、つまり、使命や理念の明文化です。<団体概要・活動内容>具体的に何をやっているのか、<ユニークポイント>自分たちの活動や名称が競合している団体との差異、の5点について文章で整理します。
②は、<利用用途と主要媒体>紙・Web・その他、<主な対象層>それはどんな人が目にする媒体か、<与えたい印象>その対象層がこれからつくるロゴを見たときにどう感じて欲しいか、の3点です。
③は、<希望納期>〆切を設定。それに合せたスケジュール作り、<予算>ロゴ制作にかけられる金額、<参考ロゴ・ビジュアル>デザインテイストの参考になりそうな他団体・他者ロゴやビジュアルなど。テキストとビジュアルの両方を用意することが、双方の見解のズレを少なくするポイントです。Webの「ロゴストック」などがお勧めとのことでした。
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最後に「ロゴ作成の6つの方法」つまり、自分でつくるのか、ロゴジェネレーターサイトを利用するのか、クラウドソーシングでコンペを開催するのか、デザイナー・デザイン会社に直接依頼するのか、などについて、それぞれの利点や注意点についての説明があり、その流れで、ロゴ作りに実際に携っている林田さんならではの、細やかな質疑応答タイムとなりました。
林田さんの講座はアットホームな雰囲気の中で、一人ひとりの疑問に丁寧にお答えしていただいた貴重な時間となりました。
林田さんが、このセミナーで一番伝えたかったことは
「いいロゴは準備できまる。」
ということです。
自分たちのロゴを考えることは、組織内で自分たちの現状を振り返りつつ、他の団体や外に目を向けるきっかけ作りにも役立ちます。
【アンケートから】
「いかにロゴマークが大切かわかりました。いいロゴには条件がそろっていることも納得しました」
「林田先生がおもしろかったです。ロゴについて体系的に学んだことがなかったので、すごくためになりました。」
「具体的でわかりやすかった。林田先生のお話もおもしろかった。ロゴをつくる準備のポイントは、自分達のことをふりかえる良いきっかけにもなると思った。」
「団体の理念や想いの伝え方、作るまでの準備」
「ロゴが作られた背景には、団体の仕事内容、思い、ストーリーなど深いメッセージが込められていることがわかった。」
「ロゴ制作の手順がとても具体的で実践しやすいので、今後活かしたいと思います。」
「今なすべきことは何なのか、落ち着いて考えられるようになりたいと思いました。」
「ロゴがすべてのデザインの基盤になるということ
<講師紹介>
林田全弘(はやしだ まさひろ)
小さなNPOを応援するグラフィックデザイナー
1979年、横浜市出身。大阪市在住。 大学時代のNPO活動を通じて広報物制作に触れるうち、「NPOにおけるデザイン・広報」の重要性を強く感じてデザイン会社に就職。その後独立し、これまでNPOのロゴやリーフレット、チラシなど、40団体100件以上の広報物を制作。現在は講師活動も精力的に行っており、初心者にもわかりやすく「現場で使える」ワークも取り入れた実践的な講座スタイルは、各地で好評価を得ている。

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