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【2025年3月27日掲載】新気ままサロン 死別の思い受け止め

「配偶者を亡くしてさみしくなった方、どうぞお入りください」。伊藤京子さん(76)=川崎市川崎区=が優しく語りかける。会長を務める「新気ままサロン」は、配偶者と死別した人の交流会だ。
発起人の佐藤匡男さんが妻を亡くしたことをきっかけに1999年に発足した。会員は全国に約100人。50~90代と世代の異なる人たちの思いを受け止める様々な活動を展開している。
年1回、全国の会員が顔をあわせる「レインボウ」=写真=は、雰囲気がよくみんなが楽しみにしているイベントだ。
年2回、発行する会報には40人余りが投稿する。「本当に苦しかった」「お父さんにお線香をあげてからカルチャーセンターへ通う」。ある人は率直な思いを明かし、古参の会員が今の暮らしについてつづることもある。読み手はその思いに触れて共鳴し、癒される。
会話したい時には会員同士がメールなどで連絡を取り合う。「朝起きたら妻のところに行くことばかりを考えている」などと心情を吐露する。
自分なりの関わり方ができるのは、言葉を交わさなくても悲しみを理解してもらえるという安心感があるからだ。「話している最中に泣いても分かってもらえる。地域の人や親戚、友達とも違う。配偶者を亡くした人でないと本当のところはわからない」。異口同音に活動の意義を共有している。
連絡はホームページ(https://kimamasalon.club/)で。
(2025年3月27日神奈川新聞掲載 市民記者・安田 純)