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【2025年5月8日掲載】かわさき市民後見をすすめる会 認知症知る一歩から

「かわさき市民後見をすすめる会」は2012年に発足した。後見人経験者など12人のメンバーが、川崎市多摩区と麻生区を中心に市民後見人や成年後見制度の啓発をしている。
後見人は、認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理や契約手続きなどを行う法定代理人で、家族や弁護士が担うのが一般的だ。経済的に厳しい単身高齢者が当事者になった場合、後見人の担い手が見つからないことが問題になっている。
12年の老人福祉法改正を機に、地域住民を市民後見人として養成する講座が始まったが、神奈川県内33市町村で実施しているのは川崎市など15自治体にとどまっている。同会の学習会も知名度の低さが悩みの種。参加者はほとんどが認知症にかかわる人たちで、一般の参加者が少ないという課題に直面している。
そこで、まずは認知症について知ってもらい、成年後見制度への理解につなげる活動に見直した。認知症サポーター養成講座の講師を務めるほか、他団体と協力して月1回の認知症カフェを平日に実施。認知症当事者と住民が交流するきっかけになり、後見人の相談を受ける機会も増えてきたという。
「今後は市民向け『土曜かふぇ(勉強会)』を再開し、市民後見人や成年後見制度を多くの人に伝えていきたい」と事務局の佐藤康晴さん(58)=写真左=は思いを語る。問い合わせは、事務局☎090(7817)4198へ。
(2025年5月8日神奈川新聞掲載 市民記者 古藤 仁)