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【2025年6月12日掲載】俳句フォト 融合する写真と俳句

「戦(そよ)ぎたる音見上ぐれば竹の秋」。4月に星宿山(せいしゅくざん)王禅寺(川崎市麻生区)で詠んだ小山(おやま)正見(まさみ)さん(77)=写真=の俳句だ。竹が春に黄葉する現象を「竹の秋」と言い、俳句では春の季語だ。青空を背景に黄色い竹林をスマートフォンで撮影し、写真の上に文字入力アプリで俳句を書き込んだ画像を作品として鑑賞する。「俳句フォト」はスマホだけで簡単にできる新しい俳句の楽しみ方だ。
中原区在住の小山さんが代表を務める「俳句フォトの会」では約50人のメンバーが交流サイト(SNS)を使って作品を投稿し、研さんを積んでいる。メンバーは30代女性や60代夫婦など幅広く、大半は俳句初心者だ。
写真を撮るのは何かに心を動かされた時だ。俳句は心の動きをものに託して表現するので、写っているものを詠めば、初心者でも気軽に取り組みやすい。写真と俳句が互いに補うので、どちらも上手でなくてもいいのが俳句フォトの魅力だ。
50代半ばの小学校教員時代から授業や児童館などで俳句を教えてきた。退職の頃、スマホを使い始め俳句フォトも楽しんできた。2024年6月から地域活性化に役立てようと、会を立ち上げた。賛同した書道家や若手IT起業家が運営やホームページ作成を手伝っている。今後は小山さん自宅横の「感泣亭(かんきゅうてい)」での句会や吟行(ぎんこう)も計画中だ。
連絡先は団体HP(https://www.haikuphoto.jp/)で。
(2025年6月12日神奈川新聞掲載 市民記者 諸富 滋)