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ぴんころの会~作品はオンリーワン
捨てられていくものに再び命を与えたいと、2017年4月に「ぴんころの会」(川崎市川崎区)は生まれた。会の名称には、人生の最期まで元気に活動しようという願いが込められている。
代表の島村艶子さん(71)(=写真右奥)は「ごみとして捨てられるものを再生する活動の源は、もったいないと思う強い気持ちです」と語る。島村さんの思いに賛同した30~70代の会員20人は、着物や洋服、セーターなどの不用品を老人ホームや町会、知り合いなどから集める。
これらの材料に、刺しゅうや金箔(きんぱく)で絵を描きタペストリーやバッグに仕上げる。はかまはのれんに、手拭いはポシェットに生まれ変わる。作品は製作者の個性が出るよう心を込めて作るという。どれも他にはないオンリーワンだ。
出来上がった作品は、貸しギャラリーなどで展示販売をするが、いつもほぼ完売する。売り上げの半分は会の活動資金に、半分は製作者が受け取る。会員のやりがいを生み出す仕組みだ。
最年少会員の加納直子さん(39)は「ここでの物作りは、企業の商品開発と同じです」と真剣な眼差しで作業を進める。今後の予定は、9月19日から21日まで東京都品川区の「旗の台ギャラリーながおか」で「もったいない市」を開き展示即売を行う。
(2018年8月25日 神奈川新聞掲載 市民記者・吉川サナエ)