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須摩修一さん~南相馬へ運び400人

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「福島のために何ができるかって?一人でも多くの人を連れて見に来てほしい」。福島県南相馬市民のこの一言が川崎市幸区在住の須摩修一さん(60)を変えた。東日本大震災の翌年から南相馬ツアーを29回実施し、自ら運転するバスで延べ約400人を現地に運んでいる(=写真)。
すべてのツアーに同行した南相馬ボランティアガイドの長谷川明さんは「この活動はありがたい。震災から6年たっても、いまだ崩れた家屋が解体されないまま放置されている。このような現状はここでしか感じてもらえないから」と話す。
ツアーの6割がリピーターだ。「見学だけでなく、現地のいろいろな方々の話を聞けるので、毎回新鮮な印象を受ける。ツアー参加をきっかけに、昨年から川崎市内で原発災害写真展を開催。11日に軽井沢(長野県)で開催される東日本大震災写真展に写真を提供する」とは17回最多参加者の言葉だ。
このツアーを通じて、参加者同士だけではなく、南相馬市立総合病院長などお互いに知らない震災の語り手たちの交流も生まれた。やがて、南相馬の人たちも川崎や東京に来て講演をするなど、交流が一層深まっている。
「福島を応援したいと思う人たちが一番の理解者だ。友達のつながりから始まって、こんなに人が集まるようになるとは思わなかった。65歳までは続けたい」と須摩さんは語る。
(2017年3月11日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)

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