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長尾台コミュニティバス利用者協議会~あじさい号を次代へ
川崎市多摩区長尾台の丘陵地を青色に輝くバスが走る。コミュニティーバス「あじさい号」(=写真)だ。「このバスがあるから仕事に行ける」「なくては困る」という乗客の声は、バスが地域の足として定着したことを物語る。
「電車やバス路線から離れた長尾台にバスを」と2008年、「長尾台コミュニティ交通導入推進協議会」が設立。6年後、本格運行にこぎ着けたことで「長尾台コミュニティバス利用者協議会」に移行した。
会長の児井(こい)正臣さん(72)と会員13人は、「車がなくても」「高齢になっても」生活ができる、エコで住みやすいまちを目指す。「あじさい号」のダイヤは、朝6時台から夜10時台までと路線バス並みに幅広く、通勤時間帯の本数が多い。
「自分たちの住む所は、自分たちで良くしたい」という協議会のメンバーはバスの本格運行後、ルート図や乗り継ぎダイヤ表を作成し、各戸に配布するなど、「あじさい号」を住民の手で育てていこうと、バス利用を呼び掛けた。乗客には毎年、利用実態調査を行い検証を続ける。
また、「あじさい号」の車内では、折々の写真や地域の子どもの絵を展示する。7月は、多摩区の名所の写真を展示中だ。
児井さんは「都市部の交通空白地帯の問題は深刻。他地域で同様の計画があれば、経験を生かして応援したい」と話している。
(2017年7月29日 神奈川新聞掲載 市民記者・横山知恵子)