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かわさき聞き書き隊~市井の歴史を記録に
「聞き書き」は、お年寄りの言葉、口癖そのものを文字で書き写し、残すことをいう。「聞き書きボランティア講座」をきっかけに、「かわさき聞き書き隊」は昨年10月、越後谷裕之代表(49)(=写真右)を中心に11人で結成された。
現在は川崎区内のデイサービスや老人福祉施設を訪問。1回の訪問に30分から1時間かけ、平均して5回は通う。現在までに12冊の聞き書き本を作成し、語り手に贈呈して喜ばれている。
「お年寄りから話を聞くことで、埋もれてしまった市井の人々の生活や文化・自然など、自分たちの知らない生きた川崎の歴史を教えてもらう機会になっている。聞き書きは、自分たちの学びや成長の場にもなっている」とメンバーたちは語る。
「自己表現の機会が少ないお年寄りにとって、自分のためだけに来訪し、自分の人生を聞いてくれる「聞き書き」の時間は楽しく、来訪を待ちわびるようになる。健康の活性化にもつながる」と介護老人福祉施設桜寿園施設長の仁科敦子(あつこ)さん(57)は評価する。
越後谷代表は「将来は中高校生を巻き込んで、お年寄りから聞き書きをしてもらい、より多くの生きた地域の歴史や経験を学ぶ活動につなげたい」と意欲的だ。問い合わせは越後谷代表 電話 080-4877-1205。
(2017年8月5日 神奈川新聞掲載 市民記者・矢島 泰弘)