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相馬どんこの会~震災を「文字」で残す
「相馬どんこの会」(川崎市川崎区)=新保一男会長(70)=は、東日本大震災からの復興を目指す故郷の福島県相馬市を応援している。
関東圏に住む1947(昭和22)年生まれ20人の同級生が5年前に設立した。故郷相馬の休耕田に花を育て、伝統の民話を受け継いでいる。地震、津波、風評のすさまじさを伝えたいと民話や講談を通じて、故郷や川崎市で人のつながりを広げている。
「福島の民話は天明の飢饉(ききん)から生まれ伝わるものもあるようです」と初代会長の島村艶子さん(70)(=写真最前列左)は話す。帰郷のたびに老人ホームを訪ね、お年寄りから民話を聴く。そこに津波のすさまじさを伝えるエピソードを加えて、文字で残したいと考えている。
島村さんは震災直後、故郷へたどる間道の寺で聞いた「お春地藏」の話を整理して同寺の境内で披露した。毎月第3火曜日には川崎市幸区の「住まいるCafé」で仲間と川崎の民話も披露する。各地の語りで得た寄付金が花の種の購入資金になる。
副会長の石川美由紀さん(60)は「相馬には今、何もありません」という。届けた種が休耕田で花開き風に揺れる。「きれいだね」との声も聞かれる花畑が広がる。「風評に向き合う故郷への私たちの思いです。元気でいてほしい」と島村さんは願う。
故郷の魚ドンコの甘辛の煮つけを味わいながら「相馬を思う強い気持ち」で故郷を応援する。問い合わせは、電子メールで島村さん(qqhf5rt9k@sweet.ocn.ne.jp)。
(2017年9月30日 神奈川新聞掲載 市民記者・小島博記)