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琴富美の会~子どもの力引き出す

小学生の前で琴の指導をする女性の様子
日本の伝統楽器「琴」を子どもたちに教えて10年の「琴富美(ことふみ)の会」。子どもたちが夢中になる姿に元気をもらいながら活動する。
小学5年の音楽の授業が活動の中心。「日本の楽器に親しもう」という方針に沿い、宮前、多摩両区内の9校に自らの琴を持ち出向いている。45分の授業で多くの子どもたちが「さくらさくら」を弾けるようになることが毎回の目標だ。
代表の松尾富子さん(75)は、「きょうは琴のお稽古をしますよ」と語り掛ける。次に座り方、琴の弾き方を解説する。子どもたちは「さくらさくら」の楽譜を琴用に置き換えた通称「縦譜」から「七七八、七七八(さくら、さくら)」と繰り返して暗譜する。同時に爪を付け歌いながら弾き始める。
「大きな声出して」と松尾さんが指導。何度も繰り返すうちに、音色がそろってくる。「さあ、ここからは声は出さない」。その瞬間、琴の音色だけが教室に響き渡った。最後は順番に独奏。「できた!」。喜びの声に拍手が送られた。
宿河原小学校の音楽担当教諭、内田薫さんは「リコーダーが苦手な子が琴を弾けて、大きな自信になることも」と話す。松尾さんは「子どもはいろいろな可能性を持っている。琴の音色との出合いがそれを引き出す一つになってほしい」と笑顔を見せた。
(2015年2月21日 神奈川新聞掲載 市民記者・清水まゆみ)

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