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視障協「囲碁の会」~健常者と対等に勝負

対局の様子 
視覚障がい者が楽しむ囲碁の会が、北部身体障害者福祉会館(高津区溝口)で月3回、開かれている。開催されてから3年半。会員は15人。毎回、7人ほどが集まり、NPO法人日本福祉囲碁協会のボランティア棋士3人も加わる。
松本雄治さん(70)=多摩区=は東京・高田馬場にある日本点字図書館で、福祉囲碁協会が指導する囲碁教室に参加した。若いころに楽しんだ囲碁が「目が不自由でもできるかもしれない」。しかし、高田馬場は遠かった。   
「市内で囲碁ができたら楽しいのに・・・」。松本さんは福祉囲碁協会に相談。そして「みんなで楽しめればいいね。私がメンバーを集める」と会を立ち上げた。協会では個人宅を訪問しての対局を考えていたが、「松本さんの行動力には感嘆した」と棋士の加納修子(のぶこ)さんは振り返る。
対局は、白の加納さんが「8の17です」と声にして打つ。黒の松本さんが「3の9と3の12がちょっと弱いね。ここは1間とびで」と進む。楽しみながら上達してほしいと、入門書の音訳CDも作った。
碁盤には石をはめ込む細工があり、黒石には小さな凸部がある。白黒の識別と地(じ)の広がりを触読する。視覚障がい者用の特別ルールはない。松本さんは「障がい者と健常者が対等に勝負するところにやりがいがある」と話す。
(2015年4月11日 神奈川新聞掲載 市民記者:小島博記)

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