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日本医科大学街ぐるみ認知症相談センター~街を挙げて助け合う
人には老いが必ずやってくる。本人はもちろん、家族間で感じる日常生活でのちょっとしたもの忘れや意欲低下は人生を不安にする。そんな漠然とした悩みや切迫した相談に、優しくわかりやすく対応しているのが「街ぐるみ認知症相談センター」(武蔵小杉駅)である。
きっかけは、武蔵小杉周辺の老人会における川並汪一医師の地道な地域活動にあった。認知症患者の増加をいち早く察知し、高齢者対策の一環として「地域で見守るネットワーク」の必要性を提唱した。センターは臨床心理士など4~5人が対応。予約無し・無料で、いつでも受け入れる体制は、相談者の心にしっかり寄り添い、現在までに訪れた人は延べ人数で約7500人に及ぶ(=写真)。
市民に向けては、認知症市民公開講座や地域イベントへの出展などを行っている。毎年、熱心に情報発信をすることで、地域住人の一人一人が認知症に理解を示し、地域の支え手として育ってくれることが願いだ。来年2月にも高津市民館での公開講座の開催が決定している。
さらに、地域包括センターや、高齢者支援などの市民団体とも顔の見える協力体制を整えており、日頃の地域ネットワークづくりを大切にすることが「街ぐるみで認知症ケア」の実践につながっている。
(2016年8月6日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)