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NPO法人FDA~就労前の支援目指し
「ハローワークに行く手前の施設として利用して欲しい」とNPO法人FDAの成澤俊輔理事長は強調する。FDAは2010年から、引きこもりやニート、重度精神障がい者など社会的弱者の就労支援をしてきた。
13年からはその経験を生かして市の雇用創出事業に参画し、生活保護受給者の支援を開始。3年間で生活保護者151人を就労させたが、定着率は約2割にとどまった。市との事業は終了したが、現在も支援を継続し、3事業所の入所者80人のうち約2割が生活保護受給者だ。
その一人、小濱正一さん(58)は再生不良性貧血という難病患者。FDAでの作業のリーダー的役割を果たしている(=写真右)。「今まで病気がネックで就職面接も受けられなかった。病で倒れてから生活保護に頼っていると、人との関係も切れ、どうしてもうつ病的になりがちだった。だからこそ、人と関わり人の役に立ちたい」とここで小さなステップを踏み出した。
生活保護受給者には病や障がいを抱えている人が多い。FDAでは、3日から1週間の体験入所から始めて、障害者総合支援法を活用した支援の枠組みに入ることができる。
「ここではスタッフとの相性で事業所を選ぶこともできる。全員が必ずしも生活保護から抜け出す必要はないので、自信を付けもらいたい」と理事長は語る。
(2016年8月27日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)