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傾聴ボランティア「傾聴わた雲」~寄り添い「聞き役」に
傾聴ボランティアとは介護福祉施設や個人宅などで、高齢者や障がい者の話し相手になり気持ちに寄り添い、受け止め、心の援助をする活動である。
「傾聴わた雲」はこの活動を続けて6年になる。「わた雲」という名前の由来はホッとするような暖かさと親しみやすさのイメージから名付けた。
会の代表・佐山忠正さんは語る。「日々、介護にあたる施設のスタッフや家族は、時間的なゆとりがなく話し相手になれないのが現状です。傾聴の養成講座を受けた第三者なら、ありのままに聞き役になれます」
ある施設で、人と交わらない高齢者がいた。左右の聴力が違うようなので、聞きやすい場所に座り直し、併せて筆談もした。一つの言葉から、たくさんの話題につながり会話が広がった。認知症の人がつぶやく一言に、話すきっかけが見つかることもある。
過去の暗い話が延々と続くこともあれば、感情のまま泣きだす人もいる。次から次へと泉のように溢れ出す話し手の語彙(ごい)の多さに「どれだけ、話がしたかったのだろう」とあらためてこの活動の大切さを知った。依頼が多くて対応できない時は、16団体で構成する「ネットワーク川崎」と連携する。より多くの人の思いに耳を傾けたいからである。
(2013年2月9日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)