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だいし水辺の楽校~干潟の自然を次世代に
多摩川が東京湾と出合う河口域で、子どもたちに干潟の自然を伝えようと地域の大人たちが「だいし水辺の楽校」を立ち上げて3年がたった。河口の干潟は、ジェット機が飛び交う羽田空港のすぐそばにあり、海の干潮満潮に合わせて現れたり消えたりする。
幼いころから多摩川と親しみ、地元で暮らすスタッフの寺尾裕一さんは「高度成長期の環境汚染前のきれいな多摩川を知っている私たちは、汚れていく姿を目の当たりにし、また少しずつ自然を取り戻していく姿も知っています」と話す。
活動は毎月1回。参加者はほとんどが小さな子どもとその家族。大師橋の下や殿町の干潟へ、アミやバケツを持ってカニやハゼなど「生きもの探し」に繰り出す=写真=。
「見て!触れるようになったよ!」。おびただしい数のカニたちに圧倒され、はじめは恐る恐る泥の上を歩いていた子どもが「生きもの大好きっ子」変身して帰る。
「ここで遊んでいつか大人になって、また次の世代の子どもたちを干潟に連れて行ってくれればいい」。多摩川の自然がいつまでも豊かであることを願い、寺尾さんは思いを巡らせる。
(2013年6月15日 神奈川新聞掲載 市民記者・佐川麻理子)