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NPO法人脳外傷友の会ナナ川崎地区会~理解ある社会目指し

シンポジウムの様子
外見からは分かりにくく、周囲から理解を得にくい「高次脳機能障害」。川崎市内で、推定5600人いるといわれている。
脳外傷友の会ナナ(本部・厚木市)は1997年10月に家族会として発足。地区会は地域で家族同士の支え合いの場を提供しようと2005年に活動を始めた。
高次脳機能障害とは、交通事故や脳卒中、低酸素脳症など、脳の損傷を原因として、記憶力・集中力・思考力・抑制力といった社会的能力が、退化・低下していく障害のことである。当初は医療機関にすらあまり認知されておらず「谷間の障害」と呼ばれていた。
地区会は本部とともに地道に国や地方自治体などへ働き掛けたり、県全体でシンポジウム=写真=や「就労を考える会」を開催したりして、「高次脳機能障害」という言葉を広め、法制度をも変えていった。
今では地域の課題解決にも取り組む。地元のグループホーム、ケアホームの見学会を実施、川崎市へ福祉サービス向上のための要望も行ってきた。そういう活動が実を結び、昨年、市内初の高次脳機能障害地域支援活動センターも開設された。
「今後は、一人一人の事故歴や成育歴、障害認定に必要な煩雑な手続きの手順を、1冊にまとめて書き込める手帳のようなものの作成も企画したい」と、地区会代表の八巻至さんは静かに話してくれた。
(2013年10月12日 神奈川新聞掲載 市民記者・山本雅恵)

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