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NPO法人 環境研究会かわさき~公害の歴史を後世に
「環境研究会かわさき」は昨年4月、川崎の公害の歴史を後世に残そうとNPO法人を設立した。市で大気や水質汚染調査などに携わってきた技術者たちが主なメンバーで、会員数は現在26人。
川崎では経済が発展するにつれて深刻な公害が生じた。住民が条例設定の運動を起こし、市が総量規制など全国一厳しい公害防止条例を設定するなど、市民、行政、企業が公害を克服しようとしてきた。
しかし、そうした歴史を伝える資料が少なく、国内外から視察に来ても十分伝えられない。「公害は克服されたとないがしろにされ、今始めないと残すことができなくなる」と副理事長の柴田幸雄さんは訴える。
会は公害の写真や記録をまとめる一方、出前講座やイベント参加など環境意識を高める活動にも力を入れている。11月に初めて川崎を飛び出し、東京・お台場での「サイエンスアゴラ」展に参加。川崎の水と大気の今と昔を比較するパネル展を行った。来場者が環境問題などをすごろくでたどるゲーム=写真=や紙芝居、環境関連の缶バッチ作りで、子どもたちにもが楽しみながら環境について学んでもらった。
「公害の歴史を知ることで、未来の環境が予想できる。公害の語り部として、川崎の過去の経験を生かし、未来の環境づくりにつなげていきたい」と理事長の井上俊明さんは語る。
(2013年12月21日 神奈川新聞掲載 市民記者・高橋喜宣)