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アイメイト~編み物楽しむ居場所

活動の様子
「『いつでも行けばだれかに会える活動拠点』をつくろう」と、川崎市内の視覚障がい者5人が2009年6月、アクリル毛糸の編み物を作り販売する活動を始めた。「孤立はだめです。集まる場所が生きがいになる」。代表の大漉(おおすき)純子さん(65)=写真=の思いだ。
編図の説明を耳で覚えかぎ針を動かす。できなくて悔しさを夢にまで見て、何度もやり直した末に、約16種類のエコたわしを編むまでになった。メンバーの斉藤さんが「八目のくさり、三目を立ち上げ、七目に長編みを8回」と小さいドレスの手順を聞かせてくれた。「自分の手で何かを作りあげるのは楽しい」という。
ひとつが100円の売り物だから、編む技術の向上にも努力してきた。バラのたわしは花びら一枚一枚が重なり、イチゴは膨らみと粒々感がある。そのままアクセサリーにもなる。「これかわいい。欲しい」「また買いにきたわ」という声はうれしい。しかし「販売ルートの少なさが悩み」だ。
「NPO法人川崎外出支援センター」の岡野百代さんたち6人が休日にボランティアでデザイン選びや編図の口述をして活動を支えている。重ねた努力があるから「皆さんのおしゃべりは活気があるでしょう」という。大漉さんは「目標額には遠いけど、『あそこにはアイメイトがいる』と思って集まれる場所を目指しています」と語る。
(2014年2月15日 神奈川新聞掲載 市民記者・小島博記)

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