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日本女子大学 黒岩ゼミ~学生が結ぶ地域の輪

ハロウィーンイベントに参加した学生たちの様子
寺尾台団地は多摩区の小高い丘の上にある築47年の5階建て団地。近隣に商店街はなく、団地内にはエレベーターもない。
日本女子大学人間社会学部社会福祉学科黒岩ゼミ(講師=黒岩亮子さん)は、地域の孤立や支援の在り方について研究している。その一環として、大学に隣接するこの団地の見学や住人へのヒアリング、アンケートを実施した。「世代間の交流が少ない」というアンケート結果を受け、集会所を利用したカフェやハロウィーンイベントを企画、実施することで「多世代交流」を目指した。
住人の中には穏やかな生活を望む人もいたため、居住空間に「部外者」が介入することで苦情が寄せられることもあった。
だが、企画したハロウィーンイベントは大盛況だった。子どもたちが仮装パレードを行い、大人たちはお菓子を手渡した。予想を上回る参加者数に慌てる学生を、子ども会の保護者がてきぱきとサポートしてくれた。「認知症の高齢者が子供と触れ合う姿が印象的だった」と学生たちは目を輝かせた。
黒岩ゼミの活動を受け、住人たちは自主的に「寺尾台カフェ」の運営を始めた。月に1度、集会室を使ってお茶を飲みながら朗読や昔の遊びを楽しんでいるという。
「一過性の活動で終わらないように、今後もさまざまな形で地域に携わっていきたい」と、黒岩さんは語る。
(2014年5月10日 神奈川新聞掲載 市民記者・昆野夏子)

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