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ふれあいサポートセンター~空手で勇気と自信を

空手教室の様子
空手道を通じて多くの人に勇気と自信を持ってほしいと、加藤功さん(63)=七段=が高津区内で開いている空手教室。3年前、その教室に心身に障がいのある人たちを受け入れ始めた。その取り組みを今年4月、「ふれあいサポートセンター」と命名し、参加者を募っている。現在の会員は5名だが、活動を広げる計画だ。
加藤さんは、16歳で始めた空手を人のために役立てたいと考えてきた。60歳で会社勤務をやめ、地域社会とつながっていくことに軸足を置いたのは、13歳のとき、慕っていた実兄=当時(18)=を病気で亡くし、「歳(とし)を重ねる前に寿命を迎えることもある」と考えさせられたからだ。
稽古では腰を落として体の軸を安定させる。突きや蹴り、手刀(しゅとう)を繰り出し、稽古場が震えるような声で気合を入れる。 会員の高橋達也さん(27)は「上肢・下肢障がい」部門の全国大会で優勝するまでの努力を重ねている。県立高津養護学校の高等部に通う女子生徒(15)は「人前で話すことが苦手だったが、稽古を重ねてそれを乗り越えている」と母が語る。女子生徒も「楽しい」と話す。
「孤立せずみんなと稽古することが自信になる」と加藤さんは言う。障がいの多様さも学んでいる。「もっと学んでつながって、これだけやってきたよ、と兄に報告できるまでになることが私の目標」
(2014年7月19日 神奈川新聞掲載 市民記者・山田和彦)

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