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柿生禅寺丸柿保存会~地元の特産品 活用し守る

傘を差した森会長の写真
「720ミリリットル入り1本に1キロ使うので、猛暑の昨年は収穫が少なくて大変でした」。柿生禅寺丸柿保存会の森章会長=写真=は、「かわさき名産品」にもなっている柿ワインの生産が、気候の影響で毎年一定ではない苦労を語る。原料の禅寺丸柿は、現在の麻生区王禅寺の山中で13世紀に発見された、日本最古の甘柿がルーツだという。
「柿生」の地名の由来にもなり、特産品として人々の生活と共に長い年月を歩んできた。ところが都市化や新品種出現などにより、消滅を心配するほど衰退してしまった。「柿生の里と禅寺丸柿の歴史と文化を守り、次世代に伝えていきたい」と、熱意ある地域の有志170人が1995年に同保存会を発足。残存する木の調査、小中学校や公園への植樹、苗木の配布、イベント開催などの他、生食以外の活用を考えて開発したワインのPRに力を入れる。
王禅寺境内にある樹齢450年という原木の手入れも欠かせない。この原木と他6本が国登録記念物になっている。森会長は家族を心配するように「今年の夏はどうかなぁ」と自宅庭の登録されている禅寺丸柿の大木を見上げた。
(2011年6月4日 神奈川新聞掲載 市民記者・菅原登志子)

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