公益財団法人かわさき市民活動センター

ダンウェイ㈱は、障がい者の就労支援と社会での自立を事業目的とした障害者福祉サービス事業者である。地域との交わりを願って、中原区新城の「あいもーる商店街」に事務所を置き、自社ブランド品による収益事業と、企業などでも雇用される人材育成を目指している。
企業などからの委託業務が、利用者（障がい者）の就労支援のための訓練になる。その成果を生かして、自立のための就労先開拓まで行うことがダンウェイの特色だ。
高橋陽子社長（37）＝写真＝は、小学2年生の自閉症児の母である。そうと告げられた時、自分を責める気持ちと見えない将来への不安に震えて泣いた。「ある先生の『試練は乗り越えられる者だけに訪れる。あきらめるな』という言葉が転機だった」。そこから障がい者の就労、自立の環境を改善したいと思い、ダンウェイを設立した。
「子どもより長く生きたい」と願う親の気持ちが分かるからこそ、障がい者の社会での自立を目指す。高橋さんは「意味のない命などない」と言う。だから、できることは今やる。やらなければそのまま子どもたちに降りかかる。その強い思いが活動を支えている。
（2011年7月16日　神奈川新聞掲載　市民記者・小島博記）