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「にこにこ楽音会」殷珊珊さん~「二胡奏で続け半世紀」
中国のバイオリンともいわれている二胡(にこ)。たった2本の弦が奏でる音色は、人の声に似ていて、耳に優しく入りやすいという。望郷の思いを寄せた曲や軽快で楽しい曲は、旅番組によく使われている。
殷珊珊(イン・サンサン)さんが、高校生の時、小遣いで初めて買ったのがこの楽器。二胡とともに50年。6年前に二胡教室講師として「敦煌楽音(らくおん)会」を立ち上げた。今年新たに、ボランティア活動を行う
「にこにこ楽音会」を結成し、高齢者施設、町内会や地域のイベントなどで無料演奏する。幼稚園、小中学校などの授業では、中国の歴史などを話しながら、楽器に触れさせる。
「へぇ、こんな簡単な作りから、こんなに音が出るんだ」という子どもたちにドレミを教えると、一度でマスターする子もいる。「天才がいっぱいいるね」とほほ笑む殷さんは、年齢・場所・環境に合わせて、演奏する曲をその場で決める。高齢者のリクエスト1位の「蘇州夜曲」では、皆が身を乗り出してじっと聞き入る。毎日の練習時間は3時間、コンサート前にはその倍にもなるが、何時間弾いても全く疲れない。
来日して24年。四川大地震の時に、日本人から受けた支援への感謝の気持ちが、活動を支えている。9月には高津と中原の両市民館で「二胡演奏ボランティア養成講座」を開く。
連絡先は、殷さん 電話・ファックス044(798)7346。
(2011年8月20日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)