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柿生郷土史料館支援委員会~古里の文化を後世に

資料館の受付に並ぶ団体メンバーの写真
宅地造成によって田園風景が消え、変わりゆく故郷の姿を見て、旧都筑郡柿生村10カ村と岡上村の有志が、鶴見川流域にある郷土の文化を守り、地域に展示公開できる「郷土史料館」をと、市に要望を続けた。その熱意が実り、2010年に全面改築された柿生中学校内に開設された。
柿生・岡上の古代縄文から古墳時代の出土品、近隣住民から寄贈された、古代から明治までの歴史とこの地域のつながりを示す品々が展示されている。
学校と地域が一体となる相互協力体制のもと、小島一也さん(84)が中心となり、同館支援委員会をつくり、ボランティアを募集、運営にあたる。情報・研究誌「柿生文化」を発行し、郷土史講座、資料館展示物ガイドセミナーを開催している。
柿生中学校の生徒らが、鶴見川流域に大昔、地元の砂鉄を使って鉄器を作る文化があったことを体験、実証しようと、川底から40キロもの砂鉄を取り、自分たちで造った溶鉱炉で砂鉄を溶かし、玉鋼をたたき、立派な包丁を作った。仕上げは鍛冶屋に依頼したものの、「子どもたちが、自分たちの手で歴史に関わることができた。教育成果は、徐々に現れている」と小島さんは語る。
史料館に足を運ぶ人々が、先人たちの足跡をたどり、郷土の文化に出会えるよう、その手伝いを続ける。
(2011年9月10日 神奈川新聞掲載 市民記者・林 德)

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