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楽遊協会 吉村佑一さん~生音の迫力届けます

出前コンサートの様子
日頃、クラシック音楽の生演奏を聴いてみたいと思っても、その機会に恵まれない病院や福祉施設で過ごす人々。そんな人たちに対し、プロの音楽家を招き、その場所で無料コンサートを開く活動を推進しているのが、麻生区に住む吉村佑一さん(70)だ。
吉村さんがこの運動に取り組んだきっかけは、施設にいる義母の見舞いだった。通い続けるうちにある日ふと、ベッドの傍らでプロのバイオリ二ストの妻と2人で、バイオリンを弾くことを思い立った。実際に演奏してみると、義母の表情に明るさが増した。その時、音楽療法の大切さをしみじみ感じた。「素晴らしいプロの音楽家に来てもらい、クラシックのライブの迫力を味わってもらえたら」との思いで、聴く側のニーズに合わせたコンサートの企画・演出の道を歩む。
舞台と客席の距離をなくし、演奏家の周りを取り囲むスタイルで、生の音を肌で感じてもらえることを一番に考えてきた。質の高いライブ演奏のために、演奏者の確保や打ち合わせなど、十分な事前準備に時間をかける。毎年地元のレストランで有料コンサートを開き、その収益とかわさき市民活動センターの助成金で、病院や施設での出前コンサートを行う=写真=。
「妻とともに歩んできました。これからは、プロを目指す若手音楽家にも光を当てたいです」。こう語る吉村さんは、来年3月の川崎市立多摩病院のコンサートに向けて、準備を始めている。
(2011年12月17日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)

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