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万福寺人参友の会~種まく人を増やしたい
かつて万福寺(麻生区)とその周辺の特産ニンジンだったが、労力と手間がかかることで減産の一途をたどり、姿を消して30年。12年前「万福寺人参友の会」が発足。会長の高橋清行さんは、「万福寺(鮮紅大長)人参」を通じて市民農園や家庭菜園で栽培に挑戦する仲間づくりを始めた。
昨年12月に開催された第12回品評会=写真=では、色鮮やかなニンジンがずらりと並んだ。長いものは70㎝もある。味覚、香り、姿、色彩、努力賞の各賞があり、最優秀賞には、「市民の手で、万福寺人参を再び育てよう」と会発足を呼び掛けた岡本剛介さんが選ばれた。
努力賞の県立相原高校(相模原市)農業クラブの生徒たちは、麻生区在住の農業研究家の飯草幸雄さんのアドバイスを受け、ニンジンを栽培。調理方法を研究、地域の食生活推進団体と協力して、親子向けの講習会を開催するなど、ニンジン普及の取り組みを紹介した。
品評会終了後には、食生活推進団体の「ヘルスメイト麻生」の協力を得て、試食会を開催。前菜からデザートまで、たくさんの料理が並んだが、この人参の特徴である、強い香りと甘みを生かした「煮しめ」が大人気だった。食後は、参加者が「万福寺人参の歌」を、作曲者で会員の漫画家よだひできさんと大合唱。「楽しいイベントを通して、種蒔き人を増やし、ニンジンを広めたい」と事務局の石井よし子さんは語った。
(2012年1月14日 神奈川新聞掲載 市民記者・林 德)