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おはなしトトリ~多文化が共に在る街で

絵本の読み聞かせの様子
川崎駅に立ち並ぶ大きなビルの一角にある市立川崎図書館。ここで毎月1回「おはなしトトリ」の読み聞かせがある。だっこやおんぶをされたり、手を引かれてやって来る子どもや親たちで小さな部屋はアッという間にいっぱいになる。
「トトリって韓国語でドングリの意味なんです」と代表の金東姫(キムドンヒ)さん=写真=。ここでの読み聞かせも5年目を迎える。
「私たち在日なんですが…」。ここで読み聞かせを始めるときに金さんたちが問い合わせたところ、当時の館長は「川崎は多文化が共存する街ですから」と快く受け入れてくれたという。
始めたころ母親に抱かれて聞いていた子が今は一人でやってくる。「ここは長く聞きに来てくれる子が多いんです。そんな子には、ずっと絵本が好きでいてほしい」と、金さんは言う。
ただ0歳児から大きな子までが一緒の絵本を聞くことには、楽しさとともに難しさも感じている。小さな子には楽しい絵本でも、物足りなさを表す小学生もいる。
そんな課題を抱えながらも、金さんは「トトリが大きな木になるように、子どもたちも絵本と一緒にすくすくと成長してほしい」と話す。
(2012年6月9日 神奈川新聞掲載 市民記者・佐川麻理子)

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