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松井三夫さん~ボランティアに全力
困っている人がいると聞けば、仕事中でもバイクを走らせ、助けを求める人がいれば全力でケアにあたる。そんな頼もしい助っ人が中原区陣屋町にいる。
川崎市民になって53年、工務店を経営する松井三夫さんだ。福島生まれの福島育ち、8人兄弟の中で育ったわんぱく少年の笑顔は今も変わらない。家で泣いている子どもがいれば、あやして畑にいる親に届けるような優しい父親の背中を見て育った。
17年前、障がい者バスツアーの運転手を引き受けたのをきっかけに自身のボランティア人生が始まった。この経験から「人の役にたちたい」との強い思いは、高齢者施設に得意の尺八で定期的に慰問し、趣味で育てた野菜を無料で配るという活動に広がった。
そして昨年3月、震災被災地へは会社のトラックを自ら運転、すばやい援助活動を行った。福島からの避難者がとどろきアリーナにいる間には116回も訪れ、陣頭指揮を執った。皆の悩みを聞き、寄り添い、できる限りの衣食両面のサポートをしてきた。「勝利への道は真面目に働くこと」という母の言葉がいつも心の糧になっている。
現在は、明るいまちづくりのために町会の防犯部長も務める。ボランティア人生を続けるには健康が第一と語る。そんな松井さんの朝は野菜の水やりから始まる。
(2012年7月21日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)