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武蔵小杉さかい歯科医院写真洗浄ボランティア~写真でよみがえる故郷

写真洗浄作業の様子
津波で流されたふる里の風景は二度と戻らない。それでも思い出が写真として残っていたら。アルバムを開けば、いつでもそこには懐かしい顔が笑っている。
そんな思いを胸に被災地の写真洗浄に力を入れるボランティア団体がある。津波で流され、がれきの中から見つかった写真は、海水と泥で劣化が激しい。それらを現地から送ってもらい、洗浄し返送する。
この会を立ち上げた小林郁子さんは、震災直後に物資を届けに行った気仙沼で、この写真洗浄作業に出会った。寒風の中で黙々と膨大な量の写真を洗う人の姿に心を動かされた。川崎市に戻りすぐ、自ら写真洗浄セミナーを開いた。仲間を募り、3ヵ月後には親戚のつてで作業所を設けた。メンバー約10人が写真を傷つけないように万全の注意を払って作業する。
強烈なカビの匂いと皮膚保護のためにマスクとビニール手袋は必携だ。時には、写真の中の風景や人物に思いをはせ、落ち込んでしまうときもある。そんな時は「一枚でも多くの写真を、一人でも多くの持ち主に返そう」と互いを励まし合う。
津波を生き抜いてきた写真は宝物だと、実感している。同会では写真印刷用インクなどの寄付を募っている。問い合わせはphotovolunteermusako@gmail.com
(2012年8月11日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)

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