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社会福祉法人アピエ~メディアの向こう側へ

憩いの場を案内する施設長の写真
 「戦争をメディアの向こう側で起こっていることのようにしか思えない感覚。精神障がいの情報も、それと同じなんじゃないですか」。社会福祉法人アピエの「憩いの場」利用者は、こう語った。
アピエは、心の病を持った方々が安心して生きていけるよう、支援を行う法人だ。「場の提供」として、最近、作業のペースに緩急差のある仕事場二つに加え、いつでも行ける「憩いの場」を作った=写真。理想とする日中の「居場所の三角形」は、この頂点で完成した。
しかし、施設長の五十嵐一明さんの目標は、真の福祉を求め、まだまだ終わらない。次なる試みの一つは、障がい者の意思や決定を尊重する「当事者主権」の考え方に基づき、当事者自らが「場の中味」をつくっていく後押しをすることだという。
知っていること、遠くのことではないと実感すること、一人の人間として当然のように尊重すること。1本の線でつながっているが、その間ははるか遠い。自分の足でメディアの向こう側へ行ってみること、これが自分なりに描く線の始点となるかもしれない。
(2009年7月18日 神奈川新聞掲載 市民記者・山本雅恵)

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