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たまゆめ崖線ネットワーク~斜面に残る自然見守る

自然観察会の様子
ランドサットで撮影された衛星写真を見ると、多摩丘陵から川崎、横浜、三浦半島にかけて途切れながらも広大なイルカの形をした緑が映し出される。これが「いるか丘陵」だ。
そのイルカの頭のうなじの所にあたる多摩(たま)丘陵から、川崎の夢(ゆめ)見ヶ崎公園にかけて約30kmにわたる崖に沿った「たま」から「ゆめ」の緑の帯が「たまゆめ崖線(がいせん)」。崖線とは崖や斜面をたどった地形をいう。今や緑地は都市化の波にのまれ、崖や斜面の周辺にまるで孤島のようにわずかに残った。そんな自然を多くの人に伝えたい。
「たまゆめ崖線ネットワーク」は毎月1回約8km崖線を歩き、また時にはバスツアーも企画し自然観察会を開いている。「建設技術の向上により今まで不可能だった崖のそばでもマンション建設が及ぶようになってきました」。代表の白井剛さんは地図を並べながら語り始めた。「ここの谷戸では今でもハグロトンボやサワガニが見られます」。人の暮らしのすぐそばにある自然。失い続けている大切なものたちの話は尽きない。
(2007年6月9日 神奈川新聞掲載 市民記者・佐川麻理子)

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