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かめの子水泳クラブ~先生は親亀 みんなは小亀

水泳教室の様子
高校の体育教師だった石川正士さん(69)=写真左=が、川崎市民プラザ内の温水プールで始めたのが約30年前。
ずっと見守ってきた子がいる。知的障害のあるS君は石川さんの背中に小亀のようにつかまるが絶対泳ごうとはしない。休まず通うが、体を沈めては水面に浮く遊びなどを6年間繰り返した。ある日突然、手を動かしクロールで泳ぎだした。そのとき、プールの皆は驚くとともに大きな拍手を送った。その後、彼は個人メドレーまでできるようになった。
初心者向けに指導する「ドル平泳法」の力も大きかった。顔をつけた水中では息を吐かず、水中から顔を上げたときすばやく息を吐いて吸う動作を繰り返すやり方だ。この呼吸法で学んだ卒業生は1000人に上る。
「プールがだいすきです」「いろいろなおよぎをがんばりたいです」。毎月の会報には小学生のかわいい字がつづられる。石川さんは語る。「子どもの力は不思議ですね。頑張って泳げた瞬間、目の輝きに驚きます」
(2007年8月11日 神奈川新聞掲載 市民記者・町田香子)

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