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恵みの家~人と出会う場を提供

講演の様子
統合失調症の60代のAさんは、病院の精神科に勤務する看護師の芝美恵子さん(44)に「僕を見捨てないで」と繰り返した。「そう言わせてしまう病院生活に埋もれた人たちの人生を取り戻さなくては」。5年前、その糸口を探すため北海道浦河町の「べてるの家」を訪ねた。病気を受け入れ、仲間と何でも話し合う。働きながら楽しんで生きる姿に志を強くした。が、その矢先、Aさんは亡くなった。
今月中旬に行われた「第3回川崎べてるまつり」(川崎境町教会=写真)では、べてるの家の人たちを招いて講演を開いた。一人では無理でも仲間となら前に進める。その弱さをきずなにしたつながりが働く原動力になると話した。
3人のスタッフで「恵みの家」を結成して1年半になる。帰る家のない長期入院患者に住居を提供し、通院治療者に働く場を支援。「社会への道のりは長い。けれど、身の丈でいいと思うんです。少しずつ歩んでいければ」。Aさんと同じ思いを抱かせないために、人との出会いをつくる。
(2007年8月25日 神奈川新聞掲載 市民記者・三木規伊)

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