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語り部・寺内重雄さん~中国民話の魅力 子供に

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膨大な数の中国民話を保育園や図書館で語っている寺内重夫さん(79)=写真。ボランティア「ことばとかたち」のただ一人の語り部だ。「僕の役割は、たくさんの子どもたちに昔話を語り伝えていくことだと思っています」
初めて中国の土を踏んだのは15年前。教職を退いた寺内さんは、日本語教師として渡った中国済南市で中国の民話に出合う。中でも、悪事を働いた男が処刑直前に母親の乳首をかみ切る話「刑前見母」に衝撃を受けたことが、活動の原点になった。その類話はイソップ寓話(ぐうわ)集に「盗みをした子どもと母」として伝承されてもいた。一つの物語が土地の習慣や考え方に染まりながら微妙に変化して伝わっていく。それが民話の魅力でもある。
寺内さんは「たとえ残酷や無惨を語ろうとも、そこに生きた人の心を忘れてはいけない」と強調する。「昔話に隠された祖先の生きざまや歴史を語り伝えたい。昔話の伝承は生命の継承だから」と言い、採訪(高齢者が口承してきた昔話を記録する)運動にも参加、活動を続けている。
(2005年1月22日 神奈川新聞掲載 編集ボランテイア 三木規伊)

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