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糸の詩~衣生活から心も元気に
車いすに座ったまま着脱できるコートやウエディングドレスなど、既製服にはないものを開発し、高齢者や障害者の衣生活の不便さを解消する。その研究・製作をしているのが、ボランティアグループ「糸の詩(うた)」(代表・栗田佐穂子登戸ドレスメーカー学院副校長)だ。研究生や卒業生、ボランティア25人が服飾面での福祉に取り組んでいる=写真。
「身体の障害や症状は、人それぞれ違う。実際の不便さは当人でないと分からない」と話す栗田さんは、素材・色柄も着る人の希望を聞く。簡単に着脱できれば介護する側、介護される側の両者にとって負担が減る。さらにおしゃれをすることで、本人の表情が明るくなり、顔色がピンクに変わっていく。気に入ったおしゃれな衣服は心の「処方せん」になるのかもしれない。
毎月の相談会のほか、展示会やファッションショー開催にも精力的だ。「介護服を待つ間に亡くなってしまう人もいます。今必要なのに すぐに手渡せない。こんな切ないことはありません」。だからこそ、医療機関やアパレル業界への普及に尽力し、活動範囲を広げている。
(2005年3月12日 神奈川新聞掲載 ボランティア記者 三木 規伊)