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在日一世高齢者と結ぶ2000人ネットワーク~魅力あふれる話聞いて

写真展にて撮影された集合写真
在日韓国・朝鮮人一世の、日常の姿を知ってほしいと開催された川崎駅での写真展は、韓国・釜山に渡った=写真。

日本の敗戦によって植民地支配から解放され、一世は母国に戻った人、日本に残った人とそれぞれ違う国で生きてきた。帰国した人や親せきは、残留者は発展した日本で安穏に暮らしてきたと思っていた。反対に残留者から見れば、故国に戻れば差別もなく楽に暮らしてきたのだろうと思われた。
すれ違う思いがあるから、どこか打ち解けずにいた。だが、写真で残留者の日常の姿を見た人たちは、「日本に残っても苦労をしたんだねえ」と立場を理解し、故国でも無一文で苦労したことを打ち明け、お互いを思いやることができた。それが何よりの収穫だったと、写真展企画者の一人である三浦知人さんは語る。
一世が高齢化するにつれ、このままでは貴重な話が埋もれてしまうと、三浦さんは焦燥感に駆られている。「生きた日本の歴史ですし、苦労は仕方ないと自分の胸に収めてきた一世たちです。人としても魅力にあふれていますから、話を聞いてほしいと願っています」と語った。
(2005年8月13日 神奈川新聞掲載 市民記者・佐藤 葉)

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