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NPO法人たすけあい多摩~和太鼓で外出楽しもう
生田緑地にある枡形山山頂から和太鼓が鳴り響く。訪問介護を中心に活動している「NPO法人たすけあい多摩」による和太鼓コンサート=写真=だ。ある利用者(84)の「和太鼓を聞きたいわ」のつぶやきに応えたものだ。
やってきた利用者は10人ほどで半数は車いすだ。慣れない外出に緊張している。目の前には、大小さまざまな和太鼓が並び、紅白のたすきを掛け、たたき手たちが威勢よくバチを振り上げる。表情のなかった人のほおがゆるみ、音に合わせて手を動かす人,おひねりを投げる人も出てくる。和太鼓を聞きたいと言った女性は、「たたいてみたら」とヘルパーに勧められ、うれしそうにうなずく。
野外での集まりは、雨が降っても、暑すぎても寒すぎてもいけない。送迎にもたくさんの人手が必要だ。しかし、元木まゆみさん(理事長)は、高齢者が胸にしまってある「やりたいこと」を大事にしたいと思っている。もう年だからとあきらめていた思いをくみとって「私たちも一緒に楽しみたいのです」。
休憩の合間、顔見知りになった利用者たちは、おやつを食べながらにぎやかだ。元木さんは、「仲間と交わる楽しさを感じてまた出かけてくれたらね」と笑顔で話す。
(2005年11月19日 神奈川新聞掲載 市民記者・高木春子)