文字サイズ 背景色

ホーム最新ニュース一覧 > 市民発 >川崎授産学園~まちづくりの中の施設

川崎授産学園~まちづくりの中の施設

天文観望会の様子
「わぁ~大きい」と望遠鏡で月を見ながら驚く女の子。「鏡餅(かがみもち)みたいでしょ」とガイドの川崎天文同好会会員が言うと「ほんとだ」と声を上げた。
標高135メートルにある知的障害者複合施設「川崎授産学園」の天体観望会=写真。7日の満月の夜、この日参加した地域住民178人が職員手づくりのお団子を食べた後、川崎天文同好会の協力で作業棟「ほしの家」に設置された4台の望遠鏡の前は、大行列になった。ドーム型の天体観測室では利用者も一緒に並び、望遠鏡で月の模様を見ると「きれい、きれい」と喜んだ。
「障害者が地域の人たちとお月見ができるように協力してくれる人がいる。この力は大きい。地域の中の施設として受け入れてもらうには日ごろからの交流が大切です」と小澤福美学園長は話す。
9年前、地域にグループホームをつくる際には反対運動が起こった。住民に障害の特徴を話し、何度も説明会を開いて理解を求めた。今では、施設入り口付近のログショップに、丘陵地で栽培されたシイタケや小松菜などの地場野菜を近所の人が買いに来る。
元利用者で現在ログショップ店員と一緒に作ったリンゴ煮は好評だ。研修室は町内会の会合にも利用、建物の中を利用者や住民が自由に行き来する。創設25年。「施設は、利用者はもちろん、まちづくりの中で考えていくべきだと思うんです」と小澤さんは語った。
(2006年10月21日 神奈川新聞掲載 市民記者・三木規伊)

(C) 2022 公益財団法人かわさき市民活動センター 
市民活動推進事業