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知的障害者小規模通所授産施設「ぞうさん」~企業へ広がる「働く場」

施設利用者の働く様子
市役所の近くから、東扇島行きの送迎バスに知的障害者小規模通所授産施設「ぞうさん」の利用者たち9人が乗り込む。行き先は、大きな倉庫が立ち並ぶある物流会社だ。
大型トラックが出入りする倉庫の9階。利用者たちは、作業台で商品を贈答用の袋に入れたり、あて名のシールを貼ったり手元をきびきびと動かす=写真。
作業所から企業に働き始めたころは、利用者も指導員もどうしたらよいか戸惑った。一人一人どんな仕事が得意なのか、さまざまな作業を試し、ゆっくりと仕事に慣れていった。自分にあった仕事が見つかると手際よくこなせるようになった。大口の仕事が入った時、納期をきちんと守った実績が認められた。その達成感にやりがいを感じた利用者は「ここで働くのは楽しい」と話す。
作業所と家庭の限られた場所では得られない人との出会いもある。送迎バスで顔なじみになった他の作業所の人。気軽に声をかけてくれる社員食堂の調理員。昼休みを一緒に過ごす仲間たち。社会経験を広げる場として、「企業で働くことは大きな意味があるんです」と施設長の加藤一男さんは話した。
(2006年12月9日 神奈川新聞掲載 市民記者・高木春子)

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