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岡﨑重人さん 依存症から脱却して
岡﨑重人さん(40)=写真=は、薬物依存症回復支援施設NPO法人「川崎ダルク支援会」(川崎市中原区)に関わって16年。現在は理事長として運営の重責を担っている。
きっかけは、自らが薬物依存症患者として入所したことから始まる。「高校生の頃、好奇心で吸ってみたら楽しかったんです。そのときはすぐに止められたので、後になって依存症になるとは思いませんでした」と話す。
やがて生活が薬物中心になり、家のお金まで持ち出すようになった。家族の生活が圧迫され初めて、自分が依存症であることに気づいた。家族の勧めで同施設に入所し、ダルクプログラムと自助グループから成る12ステップによって依存症を断ち切った。
その後、入所して来る人を助けたい思いにかられ、スタッフになり活動に没頭した。いつしか自分が支援する側に立っていた。現在は、依存症の予防や当事者への偏見・差別をなくそうと、講演活動に力を注いでいる。
「違法薬物に限らず、市販薬をはじめ、喫煙、飲酒、ギャンブル、買い物など依存への誘惑は街にあふれています。ダルクに入所すれば誰でも克服できるとは限りません。だからこそ、多くの人に実態を知っていただきたい」と思いを語る。
連絡先は「川崎ダルク」http://darc-kawasaki.org
(2021年1月7日 神奈川新聞掲載 市民記者・齋藤 進)