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宮前の歴史を学ぶ会 地域の歴史を伝える
「移り変わりの早い宮前の歴史を、いま伝えておきたい」。「宮前の歴史を学ぶ会」の小川清代表(71)=写真右=は語る。
川崎市宮前区は、昭和40年代から宅地造成が急速に進み、様変わりした地域。同会は発展し続ける街の中で、地域の文化や歴史を掘り起こし、次の世代に伝えることを目的に2011年に発足した。
主な活動は年3回発行する『宮前郷土史』の編さんだ。地元の歴史を身近に感じてもらうため、毎年、講座を開催。活動に関心をもった受講者が加わり、当初5人程度だった会員が今では15人になった。
郷土誌に掲載する記事は、各自が調査・取材した内容を月1度の活動日に持ち寄り、史料の信憑(しんぴょう)性などについて徹底的に話し合う。
杉田懇生(はるお)さん(73)=同左=は、本遠寺(宮前区初山)の参道にある石碑の由来を調べ、明治6年に菅生地域に初めて設立された初山学舎の初代教師の業績と遺徳を紹介。記事を見た住職から連絡があり、交流を深めることにつながった。
「宮前市民館に配架した郷土誌が、あっという間になくなるのを見るたびに、発行を楽しみにしている人がいるのを感じる」と杉田さん。地域の歴史を丁寧に掘り起こしていく会員の活動は、過去から現在、そして未来へと続く歴史の架け橋となっている。連絡は(siboku25@hotmail.com)へメールで。
(2021年3月18日 神奈川新聞掲載 市民記者・金子ユカリ)