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NPO法人岡上アグリ・リゾート 農業通じ多世代交流
長さ80センチにもなる「万福寺人参」は川崎市麻生区の伝統野菜だ。NPO法人岡上アグリ・リゾートは、昨年、この人参のタネまきから収穫までの「農業体験教室」を開講した。
2歳から80代の参加者が岡上コミュニティファーム(同市立岡上小学校正門前)で半年かけて人参を育てた。
収穫時の人参は先がなかなか見えない。80代が折れないように押さえ、孫世代が代わるがわる土を掘り1時間。きれいに掘りあがった時、「やったー」と自慢げに人参を掲げた=写真。人参の品評会に出品し「ユニーク賞」を受賞した。
岡上は、同市北西部に位置する飛び地。約145ヘクタールのうち約半分の73ヘクタールが農業振興地域に指定されている。この資源を活用し、農業体験の場を通じて岡上で暮らす人たちの多世代交流を築こうと、2019年8月に同法人は設立された。現在会員は15名。
代表理事の山田貢さん(39)は岡上の農家に生まれ育った。農業が嫌で、東京・青山でヘアメークの仕事に就いたが、帰省の度に減っていく農地の姿に寂しさが募り、10年前に帰省を決断。
「半分が農地の岡上の畑はみんなの農園」と捉える。寺子屋体験活動の支援や6次産業化もサポートし、岡上にある和光大学とも連携。まちづくりにつなげることが山田さんの目指すゴールだ。問い合わせは050(5373)1841。
(2021年4月1日 神奈川新聞掲載 市民記者・清水まゆみ)