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五島シズさん 聖火に感謝を込めて
川崎市宮前区犬蔵在住の五島シズさん(93)=写真中央=は、看護師として41年間病院に勤務した。ここで認知症患者を看護し、1983年に当時はほとんどなかった、当事者と家族を支えるデイサービスを始めた。
以来、認知症ケアに携わり、著書も多く出版。「具体的な経験を多く書いたことで『事例が多くてすごく役に立ちました』と言ってもらえた」と振り返る。
「認知症は本人だけでなく支える家族も大変だから、双方のケアが大切」と、定年退職後もNPO法人や家族会などで当事者と接し、家族の相談を受けてきた。
若年性認知症患者の就労を支援するNPO法人マイWayの渡辺典子さん(47)=写真右=は「真似できない唯一無二の存在。家族会に出席いただくだけで、信頼感、安心感が生まれる」と存在の大きさを語る。
6月30日、五島さんが支援している家族会からの推薦で、オリンピック聖火の点火セレモニーを務めた。出発の朝、東急田園都市線溝の口駅には会場へ行くことができない家族会の人々が集まり、横断幕を掲げて送り出してくれた。
「聖火リレーには大勢が応援に来てくれるはずだったが、かなわなかった。家族会の皆さんを代表してがんばろうと思った」と大役を果たした胸の内を明かした。
(2021年7月22日 神奈川新聞掲載 市民記者・安田 純)